日本とイギリスのクリエイティブプロセスの違いについての良い例えを見つけた!イギリスはコラージュ、日本はデッサンのプロセスに近い。
イギリス(ヨーロッパ)人は、コラージュのプロセスのように、参考資料を沢山持ってきて、その良し悪しを判断して、一個のものを作る事が多い。参考事例あるから、その知識を踏まえてやると、時間の短縮にもなるし、説明もクオリティもつけやすい。帝国支配的考えだなーとも思う。だたし、1から何かを白紙にユニークなものを描くという感じでない。実はあまりそこに長けてないし、何か応用デザインみたいな感じになる事が結構あったりする。
日本の場合は、日本の美術教育と同じように、デッサンして、1から作り上げる感覚がある。それが誰かの想像上のものならユニークなものができるし、写実であれば丹精なコピーができるっていう。逆にそこにストラクチャーとか方法論がなく、ぐちゃぐちゃになると、上手くいかなかったりするのだけど。
全部が全部でないけど、日本から突き出たユニークものがうまれたりするけど、こういうプロセスの違いや思考から出てくるものなのだと思う。
私の経験からいうと、日本で受けたデッサン力重視の美術教育の素地は、海外のクリエイティブな仕事をするときに非常に役に立ってる。逆に言えば、そこが他との差別化に繋がって、生き残れた感も。
とにかく作れる能力があり、それを続けていければ、それがその人にしかないアセットであることが明らかになる=その人がいないと成り立たない事が明確になる。そんな時代だね〜。しゃべりに特化しても、結局プレゼン能力しか上げられない。
デッサン力つけてから、コラージュはいけるけど、逆は案外難しい気が。1から考えて作るっていう思考プロセスは、実は日本の美術教育から私は教わった気がする。
(デッサンといっても上手い下手の問題でなく、1から自分のアイデアを絵にして説明できるプロセスの事を指してます。)
私はここで何を言いたいのかというと、海外のデザインシンキングややり方を取り入れるのも面白いのだけど、日本独自の創造の方法を外国からの方法に上手くアダプトさせるのは非常に重要だと思う。こういうとこに、イノベーションやクリエイティブに関する色々なヒントが詰まってるんじゃないかなぁ。
そして、日本の美術教育の方法も捨てたものではない、と。もちろん時代に合わせて変えるべきだとも激しく思うが。いいとこは据え置きで。
私は日本の美大にいって、その後こっちで10年大学、大学院、仕事をしてやっと色々なものが繋がり、意味が見えてきた感じする。昨日これからやるカンファレンスでのワークショップの準備してて、これまでやってきた事が一個にまとまる達成感を感じた。
私個人としては、日本で基礎を学んでよかった。10代に受けた厳しいデッサンのトレーニングから得たものは、ものづくりに対する試練、情熱、プライドかな。そういうものづくりの精神論は、こっちではあまり学べなかったりする。今、デザイン=楽しいという構図出来上がってきているけど、楽しさを作る側の人間は、毎日何かに挑戦しているし、人と違う行動を起こすし、とにかく楽しさを作り上げるために相当な努力をしているのが現実。挑戦してる側としては、そこを軽視されたくないのだけど、同時に他の人との垣根も広げたくないというジレンマがあるのです。
今のトレンドだとクリエイティブになる事が敷居が高くならないほうがいい傾向あるけど、そうなると、能動的に動いて時代を切るナイフがシャープにならないっていう。ものづくりってやっぱり一番を目指すには、磨かないと綺麗にならないのよね。
まぁ、時代に合わせて捉え方を変えたりするのも重要だから、色々上手く使い分ける感じがいいのかもだけどね。
日常的にワークショップのアイデアやデザインのアイデアを練ったりするときに、私はアイデアが閃いたものを絵にするのだけど、こっちの人ってやたら参考資料を持ってきて、それを土台にしていろんなパーツを繋げていく。そっちのほうが早いけど、最初っからその時点で新しいイメージが出来てないまま、繋げていく感じがある。なぜなら絵が描けない場合、写実に思い描いたイメージが出来ないから。
あと、話してるアイデアも、絵にすると,え、これだけっていうことがよくあるw 話してると、何か産んだ気にはなるが、実際には産んでいない。だから絵に描いてそのイメージを皆で共有できる形にできないと、時間の無駄になるし、実は話してる内容でも、人それぞれ違うものをイメージしていることも多々ある。
ワークショップのアイデアもそうで、多分フォーマットで動いた方が楽だし、なんだかんだいって、何かを応用する、という流れに行き着くのかと。だから意外と新しい方法論は、どこでも実践されてなかったりする。
そういう意味で私は、全部絵に描いてイメージを作るし、閃きから発想するから、会社に新しいアイデア提供に非常に貢献できたと思う!そこで評価も得られたし、それはやりがいがあった。それと同時に、もちろん会社側の理解がないとこのスパークは生まれなかったので、私は私で、新しい事に寛容に自由にやらせて貰えた環境に非常に感謝している。あとは、ちゃんとやった後に自分のクレジットを入れてくれたり、作る側のリスペクトをちゃんとしてくれる人が周りにいてくれたのは非常によかった。自分で作ったのに、他の人がプレゼンをされたら作った側のモチベーションはもちろん低くなるので。
特にこのデザインイノベーションの現場で別の分野の人たちと働いて、その違いが見えてきたとこがあります。別の分野の人と作業すると、私の得意でない他の所をサポートして貰えたのも良かった。一人でやるより楽しいし。
実はあと三週間で、デザインイノベーションの現場とはちょっと別の分野に行く&働く国が変わるので、イギリスの先端のクリエイティブの現場で学び、働いた所感を書き留めておきたかった次第です。