2016年9月9日金曜日

日本のクリエイティブのポテンシャルと、イギリスのそれとの比較。

日本とイギリスのクリエイティブプロセスの違いについての良い例えを見つけた!イギリスはコラージュ、日本はデッサンのプロセスに近い。
イギリス(ヨーロッパ)人は、コラージュのプロセスのように、参考資料を沢山持ってきて、その良し悪しを判断して、一個のものを作る事が多い。参考事例あるから、その知識を踏まえてやると、時間の短縮にもなるし、説明もクオリティもつけやすい。帝国支配的考えだなーとも思う。だたし、1から何かを白紙にユニークなものを描くという感じでない。実はあまりそこに長けてないし、何か応用デザインみたいな感じになる事が結構あったりする。
日本の場合は、日本の美術教育と同じように、デッサンして、1から作り上げる感覚がある。それが誰かの想像上のものならユニークなものができるし、写実であれば丹精なコピーができるっていう。逆にそこにストラクチャーとか方法論がなく、ぐちゃぐちゃになると、上手くいかなかったりするのだけど。
全部が全部でないけど、日本から突き出たユニークものがうまれたりするけど、こういうプロセスの違いや思考から出てくるものなのだと思う。
私の経験からいうと、日本で受けたデッサン力重視の美術教育の素地は、海外のクリエイティブな仕事をするときに非常に役に立ってる。逆に言えば、そこが他との差別化に繋がって、生き残れた感も。
とにかく作れる能力があり、それを続けていければ、それがその人にしかないアセットであることが明らかになる=その人がいないと成り立たない事が明確になる。そんな時代だね〜。しゃべりに特化しても、結局プレゼン能力しか上げられない。
デッサン力つけてから、コラージュはいけるけど、逆は案外難しい気が。1から考えて作るっていう思考プロセスは、実は日本の美術教育から私は教わった気がする。
(デッサンといっても上手い下手の問題でなく、1から自分のアイデアを絵にして説明できるプロセスの事を指してます。)
私はここで何を言いたいのかというと、海外のデザインシンキングややり方を取り入れるのも面白いのだけど、日本独自の創造の方法を外国からの方法に上手くアダプトさせるのは非常に重要だと思う。こういうとこに、イノベーションやクリエイティブに関する色々なヒントが詰まってるんじゃないかなぁ。
そして、日本の美術教育の方法も捨てたものではない、と。もちろん時代に合わせて変えるべきだとも激しく思うが。いいとこは据え置きで。

私は日本の美大にいって、その後こっちで10年大学、大学院、仕事をしてやっと色々なものが繋がり、意味が見えてきた感じする。昨日これからやるカンファレンスでのワークショップの準備してて、これまでやってきた事が一個にまとまる達成感を感じた。
私個人としては、日本で基礎を学んでよかった。10代に受けた厳しいデッサンのトレーニングから得たものは、ものづくりに対する試練、情熱、プライドかな。そういうものづくりの精神論は、こっちではあまり学べなかったりする。今、デザイン=楽しいという構図出来上がってきているけど、楽しさを作る側の人間は、毎日何かに挑戦しているし、人と違う行動を起こすし、とにかく楽しさを作り上げるために相当な努力をしているのが現実。挑戦してる側としては、そこを軽視されたくないのだけど、同時に他の人との垣根も広げたくないというジレンマがあるのです。
今のトレンドだとクリエイティブになる事が敷居が高くならないほうがいい傾向あるけど、そうなると、能動的に動いて時代を切るナイフがシャープにならないっていう。ものづくりってやっぱり一番を目指すには、磨かないと綺麗にならないのよね。
まぁ、時代に合わせて捉え方を変えたりするのも重要だから、色々上手く使い分ける感じがいいのかもだけどね。

日常的にワークショップのアイデアやデザインのアイデアを練ったりするときに、私はアイデアが閃いたものを絵にするのだけど、こっちの人ってやたら参考資料を持ってきて、それを土台にしていろんなパーツを繋げていく。そっちのほうが早いけど、最初っからその時点で新しいイメージが出来てないまま、繋げていく感じがある。なぜなら絵が描けない場合、写実に思い描いたイメージが出来ないから。
あと、話してるアイデアも、絵にすると,え、これだけっていうことがよくあるw 話してると、何か産んだ気にはなるが、実際には産んでいない。だから絵に描いてそのイメージを皆で共有できる形にできないと、時間の無駄になるし、実は話してる内容でも、人それぞれ違うものをイメージしていることも多々ある。
ワークショップのアイデアもそうで、多分フォーマットで動いた方が楽だし、なんだかんだいって、何かを応用する、という流れに行き着くのかと。だから意外と新しい方法論は、どこでも実践されてなかったりする。
そういう意味で私は、全部絵に描いてイメージを作るし、閃きから発想するから、会社に新しいアイデア提供に非常に貢献できたと思う!そこで評価も得られたし、それはやりがいがあった。それと同時に、もちろん会社側の理解がないとこのスパークは生まれなかったので、私は私で、新しい事に寛容に自由にやらせて貰えた環境に非常に感謝している。あとは、ちゃんとやった後に自分のクレジットを入れてくれたり、作る側のリスペクトをちゃんとしてくれる人が周りにいてくれたのは非常によかった。自分で作ったのに、他の人がプレゼンをされたら作った側のモチベーションはもちろん低くなるので。
特にこのデザインイノベーションの現場で別の分野の人たちと働いて、その違いが見えてきたとこがあります。別の分野の人と作業すると、私の得意でない他の所をサポートして貰えたのも良かった。一人でやるより楽しいし。
実はあと三週間で、デザインイノベーションの現場とはちょっと別の分野に行く&働く国が変わるので、イギリスの先端のクリエイティブの現場で学び、働いた所感を書き留めておきたかった次第です。

2016年8月29日月曜日

コーカサス旅行記。セルゲイパラジャーノフ美術館、ソ連のビルなど。



















セルゲイ・パラジャーノフというアルメニア人のソビエト時代の著名な映画監督のミュージアムに行ったのだけど、この人の世界観が凄かった。。!
ロッテルダムの国際映画祭でヨーロッパの映画監督二十人に選ばれたりと有名人みたい。ヴィムヴェンダースのコメントもあった。
このシュールで独特の世界観。。凄い良かった。
コラージュ作品もとても良かった、(ヤン シュワンクマイエルみたいな感じ)ので、後で写真のせます。

Armenian trip photos - city centre, Sergei parajarnov museum, Sevan lake, churches.. 
ソ連時代の著名な映画監督、セルゲイパラジャーノフの美術館に行ったり、ソビエト時代のスタジアムやコンサートホールを見たり、湖を見たりした。
特にパラジャーノフ美術館は良かった。ソ連時代の言論の自由の規制からの解放されたいエネルギーが出たコラージュ作品やシュールな前衛映画が味わい深かった。もうちょっとじっくり彼の作品を見てみたい。
ソ連時代に建てられたスタジアムに迷い込んでどうなるかと思ったけど無事に帰還。
アルメニアの虐殺の歴史ミュージアムにも行った。キリスト教徒の虐殺が19世紀の終わりから行われていた関係でトルコと仲が悪い。強烈な歴史の一幕をまた見た感じ。同じイスラム教徒のでも、アラブ、イランとは仲が良かったりするらしく、いろいろ複雑な歴史の関係があるみたい。
今日がアルメニア最終日。明日ドーハー経由でトランジット下車したらロンドン着です。
エレバン朝3時発という厳しい時間設定w がんばります。





2016年8月28日日曜日

コーカサス旅行記。エレバンの市街観光&噴水ショー。

Fountain show at republic square! 共和国広場で噴水ショーが毎日行われるとの事を聞き、行ってきた。とてもよくできた噴水ショーと広場で、農村部ので見た貧しい地域を見てから行くと、これが同じ国で起きてるとは思えない驚きが。ディズニーランドのパレードを見るような、そんな華やかさがあった。
その飛躍感が逆に幻想的というか、何というか。。沢山の地元の人達と、暑すぎる昼から一転して、過ごしやすい夏の夜にあの噴水ショーを見られたのは良い思い出だった。
国の権威を見せつけるためのものに違いないけど、最低限誰もが楽しめるっていう意味では良いのでは。
アルメニアで唯一の日本人オーナーの経営する、日本食レストラン、櫻田にも行ってきた!ネパールで食べた日本食レストランを彷彿させる、クオリティの高い、手頃な値段のご飯に感動〜!デザートワイン含めても豚肉生姜焼き定食が800円くらい。ロンドンじゃこの値段はありえない。
オーナーの方ともお話したのだけど、本当にひょんなきっかけでアルメニアでお店を出す事にしたらしい。
あとはアララトという、ロシア圏で有名なアルメニアのブランデーのメーカーの工場見学にも行った。ブランデーのテイスティングを初めてしたけど、3年ものと10年ものってあんなに味がちがうものなのかと。チョコレートと一緒に飲んで美味しかった。






2016年8月27日土曜日

コーカサス旅行記。ウクライナ経由でアゼルバイジャンのバクーに到着。

arrived at Baku, Azerbaijan, via Kiev. So organic buildings are everywhere! The airport was phenomenal! The Oil city. 
念願のアゼルバイジャンに無事に入国しました!
ウクライナのキエフに朝4:30着、そこから9時間待つという苦行もエアポートホテルのタクシーのトランスファーで楽勝に乗り越えやっと到着。。
アゼルバイジャンのオンアライバルビザ、どうなる事やらと思ってたけれども、最高にカジュアルすぎるビザカウンターで、無料で楽々一枚ビザをゲット。
バクーは最近F1の舞台になったとかで、かなり観光客の誘致に力を入れているようで、入国もしやすいし、街並みも物凄く早いペースで綺麗になってきている様子。街の雰囲気もにぎやかで豊かで安全な印象。
他の石油産出国に似て、イスラム圏+新しい投資系ビルが凄いペースで建っているのは同じだけど、ベースが旧ソ連圏/フランス支配下時代の建物だったりして変わってる。イスラム圏だけど戒律厳しくないようで(これもソ連時代の影響?)、ヘッドスカーフをしてる女性の数が少なく、開放的。トルコみたいな感じかなあ。
気温三十五度と湿気がなくドライな暑さ。
知らない場所に面白い都市がある、という飛躍感高い都市の最初の印象なので、明日から色々見て回るのが楽しみ。
やたら無駄にうねうねしたビルがいっぱい建ってておもろいです。エアポートの、特に内装が凄かった!!この国の建物は全体的にヤバそうw

ウクライナの朝食。安い割にサービス良かった。。このセットが200円!

バクーの空港。







コーカサス旅行記. アゼルバイジャンのバクー市内.

Baku at night! 夜のバクーを散策。早くもかの有名な炎のタワー発見!アニメーションになってて、炎が現れたり、アゼルバイジャンの国旗が現れたり、贅沢なルックス。
この欧米風の街並みはどうやらロシア支配下時代に建てられたものらしい。もうバクーの油田がこのカスピ海に発見されたのは9世紀頃かららしく、その油田を巡る権力闘争はとうの昔から始まっている話なようだ。それに伴い、昔から色々な民族が流入してくる、国際感覚のある土地らしい。
2006年にはロシアに対抗した、ヨーロッパ向けの石油のパイプラインがここから敷かれたとか。石油のパイプラインって、、凄いアイデアだよね。。石油途中で漏れないのかな??(素朴な疑問)
ヨーロッパ式のビルが海岸沿いに美しく立ち並ぶ様は、フランスのカンヌのよう。最近特に海底油田の開発等で、世界からの投資がどっと押し寄せているとかで、街中がとても綺麗に整備されていて、国が豊かになっているのが見える。
みなとみらいやお台場を彷彿させる海沿いにビルが立ち並んでいたり、街中の景観の潤いはとてもバブリー。土曜という事もあって、街中に各種ダンスイベントやらがやたら満載(特別な期間なのかもしれないけど?)で、凄い人出。こんなに人で盛り上がっている場所とは知らず、来てびっくりした。





Carpet museum, which is look-a-like carpet and old city, seafront view at Baku. カーペットミュージアムという、カーペットの形をした(!)ミュージアム、世界遺産にも登録されている城塞都市に行ってきたなう。
カーペットミュージアム、、形がインパクトありすぎるw 他にもクレイジーな形のビルがいっぱい。
古い建物が残るエリアもかなり整備されていて綺麗。観光客の数が少なく煩わしくなくてよい。
暑さの為、地元民は夜街を出歩くようだ。
アゼルバイジャン人は元々中央アジアからの遊牧民らしく、大陸を移動しながら文化を育んできたようで、カーペットというのは生活必需品だったらしい。カーペットは敷物としての役割だけでなく、テントを作ったり、バッグを作ったりする用途にも使われていたんだとか。中央アジアからの民族という事で、チベットっぽい文様も見て取れたりして、ユーラシア大陸を感じたわ〜〜。






コーカサス旅行記。バクーにある、ザハ設計のヘイダルアリエフ文化センター。 そして別件のモダンアートミュージアム。

Heydar Aliyev Cultural Center by zaha hadid & modern art museum.
ヘイダルアリエフ文化センターという、ザハハーディッドがデザインしたコンサート会場と美術館が一緒になったアイコニックな施設とモダンアートミュージアムに行ってきた。
このザハデザインの建物がものすごい完成度で、今まで行った世界中の現代建築物の中で一番感銘を受けたレベルのものだった。中も外も美しい曲線で成り立っていて、細部にもこだわりが見えて(グラウンドと建物の繋ぎ目が同じ曲線で繋がっていたり)まじで超美しい!カーデザインを彷彿させる美しい流線美。よくあんな建物が建ったものだ。。
(ちなみにこういう曲線系パネルは一個一個特注品らしく、その為に曲線を使えば使うほどコストがかかるものらしい。)
階段も建物と同じリズムで曲線化されていたり、星座の流れを表現したようにも見える内装も宇宙空間にいるような印象で、デザインに一つのストーリーラインが見えてくる感じで素晴らしい。
どこでカメラを向けても面白い絵が撮れる!
すげーーー。完成度の高いものを見ると、物質的な面でデザインの出来ることの可能性を知る事ができて良いインスピレーションが湧く。
エントランスの彫刻作品は草間彌生だった!しかも一ヶ月前に大地の芸術祭で見た作品と同じシリーズ!まさかアゼルバイジャンで草間作品と出会うとは。








このビルとは関係のない、別のモダンアートミュージアムに行ったのだけど、こちらはお世辞にも素晴らしいとは言えるものではなく、まだまだだなーという印象。発展途上国の現代アート美術館にありがちな、ローカルアーティストの、近代絵画(キュビズム、印象派系の作品の焼き直しが多い)的な作品が多かった。
各国の現代アートミュージアムに行くと、その国の全体的な文化熟成度が一発で分かる。
でも、面白かったのは、割と無造作にローカル作品が置かれてる感じだったから、飛ばしてみてたら、「マダーム、ダリとピカソを見たか?」と言われ、え?みてないよ!?ということになって、戻って見たら本当だ!2、3点のみ、有名でない絵だったけどあった!!w 
他の見た目は極似だけど、全然価値の違う作品達がごっちゃに(一応ピカソコーナーはでーんとしてたけど)なってたから、それでもこれは言われないと分からんわw 
その次にカンディンスキーっぽい絵画があって、それ見たら別のアーティストだったりして爆笑w この構成は現代アートとは、、と考えさせられるきっかけを作ってくれた気がして痛快だった。
現代アートは国際的なマーケットで取り扱われて、その批判や賞賛から価値が生まれるものだからなー。何か企業のブランディングとかに似てるよね。でも物質的にはその価値が一見わからないものだったりして、ある種おばけ的な面もあるよね。



コーカサス旅行記。グルジアの首都、トビリシ。

Arrived at Tbilish, Georgia! 
グルジアに無事に到着なう。アゼルバイジャンのキラキラエアポートバスからうって変わって、ソ連時代のオンボロバスで夏の夜を駆け抜けられたのは、東南アジアの旅行を彷彿させて楽しかった〜。
禁酒文化のイスラム圏から離れて、ワインと独特な食文化のあるグルジアにやってきた。ワイン激安&食べた事のない料理が沢山。。!食べ物の味や形は、アジアの食べ物に似たものが沢山。スパイス使った煮込み料理とか、チベットのモモの巨大版とか。。こういうの目のあたりにすると、本当にアジアから来た遊牧民がここまで実際に押し寄せていたんだなと思う。
観光客の数がぐっと増えて、なんだか安心。結構観光業盛んなよう。夜景が非常に綺麗。新しい建物も結構建ってて思ったより全然生き生きしてる感じ。これは楽しいかも。。登山で有名な場所らしく、キャンプ用品担いで来てる人をちらほら見かける。
グルジア文字の見た目はインド南部のタミル語とかミャンマーの文字にそっくり。。文字が変わるだけで、異国情緒満載。多分どっちかというとギリシャ系の語源体系なのかとは思うけど。
グルジアは楽しいらしいとは噂で聞いていたけど、こういう事か!と!これから数日間楽しみになってきた!

Tbilisi city centre! Very cultural city with full of tourists. Good vibe! Such a beautiful day.
トリビシの中心部散策。何とゴンドラや新しい建築物なんかも色々あって、非常に明るい。
ゴンドラがあると格段に観光感出て楽しい!絶景。やばい。予想以上!(こんな景色に出会えるとはびっくり) 西洋とも東洋とも言えない、不思議な場所。この辺の国に行くとユーラシア大陸の文化観が繋がってくるよー!
程よく観光客もいて居心地がいい感じ。
文化遺産も豊富かつ、独特な食文化が残っていてユニークな場所。人も感じ良い。この辺りはわざわざ来る甲斐がある場所かも!あまり知られていないが、素晴らしい観光地の一つといった印象。
ここから山脈地帯や教会のある景観地に行くための日帰りツアーが出てて、人気なようで予約した。ツアーも1日3000円くらいと手頃。
アゼルバイジャンは新しい開発地を見る意味で面白かったけど、グルジアは独自の文化を見る目的の訪問では最高かも。
食文化の高さと観光資源感は日本人好きそう〜、物価も安いし。このコーカサスの3カ国鉄板ルート、こりゃよさげです。
四季がある国だから夏に来るのがいいかと。
どうやらグルジアはアゼルバイジャンからの石油/ガスのパイプラインの経由地で、その引き渡しのベネフィットや、鉄くず、ワインの輸出なんかが主な収入源なよう。実際のところは若い世代の出稼ぎで人口は減ってるらしいけど、治安全体的に良いと感じる。